7月23日・24日開催 本山哲選手 スーパーGT第4戦(スポーツランドSUGO)レースレポート

第3戦のオートポリス大会が延期となり2ヵ月以上のインターバルを経ての開催となったスーパーGT2016シリーズは、第4戦を宮城県のスポーツランドSUGOで迎えた。
本山哲&千代勝正の新ドライバーコンビで今季に挑む46号車「S-Road CRAFTSPORTS GT-R」は開幕戦3位、第2戦もアクシデントがあったもののトップ争いを演じ、いよいよ今季初優勝の期待は高まるばかり。

さらにこのSUGOはGT-R、そして本山の得意とするコースであり、6月のテストでも好成績を残している。46号車を優勝候補筆頭に挙げるメディアはかなり多かった。
【予選】7月23日(土) 天候:曇り 路面:ドライ 気温:21℃ 路面温度:26℃(予選開始時)
■公式練習結果:2位 ベストタイム1’11.189(千代)
■公式予選結果:12位 Q1タイム1’14.171(千代)
46号車はこの日、朝の公式練習から期待通りの速さを見せた。セッション前半は本山のドライブによりセットアップおよびタイヤ比較を念入りに行うと、終盤の占有走行では千代が予選シミュレーションを行う。
そして、ここでいきなりコースレコードの1’11.189をマークしトップに浮上。最終的に2位としたが、ポール獲得の期待を十分もたせる走りを披露した。

午前から晴れ間の見えないSUGOはどんどん気温が下がり、午後2時50分から行われたGT500クラスの予選Q1は予想以上に冷え切った路面コンディションの下で行われた。
タイヤを入念に温めた上での一発のタイムアタックに挑む15台のマシンはセッション開始後もすぐには動き出さず、7分過ぎに1台がコースインするとこれをきっかけに各マシンは徐々に動き出した。
Q1を担当する千代を乗せた46号車も後方にポジションをとりコースイン。ここまでの調子から見てQ2進出はそう難しくないものと思われた。
ところが、思わぬアクシデントが波乱の結果をもたらすことになった。多くのマシンがアウトラップから2周のウォームアップを経て3周目に本番のアタックを敢行。この周回に11秒台が連発され、上位争いは一気にヒートアップした。

しかしここで1台がSPコーナーでコースアウトしクラッシュ。セッションは赤旗中断となる。決勝に向け硬めのタイヤで挑んでいた46号車は1周遅い4周目がアタックタイミングで、これを阻まれたばかりか、残り時間が少なかったことでリスタートも行われず、赤旗をもって予選Q1は終了。
3周目のタイムが46号車のベストタイムとなり、12位でQ1敗退という痛恨の結果に終わってしまった。46号車はコース幅の狭いSUGOで12番手スタートというハンデを背負い、レースに挑むことになった。
●本山哲のコメント
「開幕2戦と同様、マシンの調子は良く午前中の公式練習でも順調だったので、決勝に向けたタイヤでも上位グリッドにつけると思っていたのですが、不運な結果となりました。
抜きにくいSUGOでの12番グリッドスタートということで難しいレースになりますが、決勝のペースには自信があるので順位を上げていくレースをきっと見せられると思います。皆さん、決勝も応援よろしくお願いします「!」
【決勝】7月24日(土) 天候:曇り時々雨 路面:ウェット/ドライ 気温:20℃ 路面温度:22℃(決勝開始時)
■フリー走行結果:7位 1’22.135(本山)
■決勝結果:13位(73周)1h42’24.689(千代→本山)
事前の予報では曇りだったがSUGOはこの日朝から霧雨が断続的に降り、時間帯によって路面はウェットとドライの変化を繰り返すことになった。朝の30分間のフリー走行はウェットセッションとなり、46号車はここでレインセッティングを確認。
ベストタイムは7位とまずまずのポジションで、決勝がレインでもドライでも上位争いができることを示した。

その後も霧雨は降ったり止んだりを繰り返したが、午後2時の決勝スタート時はほぼ路面はドライの状態。雨も止み、全マシンがドライタイヤでレースに挑んだ。
12番手スタートの46号車は今回、千代がスタートドライバー。スタートから46号車のペースは良く、3周目に2台をパスし早くもポイント圏内に浮上すると6周目には9位、9周目には8位と順調に順位を上げていく。
ところがこのあたりを境に今度は逆にペースを落とし始め、10周目以降は劣勢に転じることになる。14周目には12位に後退。しかし狭いコースの中に両クラスあわせて43台がひしめき合うSUGOのレースはアクシデントも多く、苦しいながらも堅実な走りを見せる46号車は10位前後のポジションに踏みとどまり続けた。
波乱続きのレースは26周目、コース脇に1台がストップしてしまったことによって導入されたセーフティカーにより展開を変えた。30周目にリスタートとなると、それまで築かれたギャップがなくなったことで逆転を狙い数台がピットイン。
46号車も同じ作戦を採りタイヤを交換、第2スティントを本山に託した。

そして素早いピット作業と本山のアウトラップ以降数周のプッシュにより、全マシンがピットインを終えた40周目、46号車は6位へとジャンプアップを果たす。作戦は奏功したかに思えた。
ところがこの後、またも46号車のペースが鈍ってしまう。レース巧者の本山が決死のブロックを試みるも、順位は再び後退し続けた。54周目にはポイント圏外の11位となり、挽回は難しい状況に。

ここで46号車は58周目、2回目のピットインを行い別の種類のタイヤに交換。これは次なる戦いに向けたデータ収集という前向きの意味もあった。
レースはこの後、75周目の赤旗中断からそのまま終了。46号車は結果的に13位フィニッシュに終わった。
●本山哲のコメント
「今の時期であればもっと路面温度は上がるはずだと予想していたのですが、結果的に涼しくなってしまったことで序盤はペースを上げることができたものの、結果的に今回のコンディションに対し自分たちの選んだタイヤの作動域は合っていなかったようでした。
マシンの調子の良さからいけばSUGOでの12位スタートでも上位に浮上できるポテンシャルはあったのですが残念です。
ですが、長いシーズンの中では良いときもあれば今回のように難しい時もあります。次も、その先もチャンスは必ずあるので、次戦以降も優勝を狙っていきます。2週間後の富士も皆さん、応援よろしくお願いします!」