5月の連戦から約2ヵ月のインターバルを経てスーパーGT2017シーズンは、スポーツランドSUGOで第4戦を迎えた。
ここから富士の第5戦、鈴鹿の第6戦と約1ヵ月の間に3戦が行われることになる。
第3戦で4位で今季初ポイントを獲得した46号車「S-Road CRAFTSPORTS GT-R」がタイトル争いに生き残るためには、この“真夏の3連戦”でトップグループに追いつく必要がある。
だがその緒戦、午前の公式練習では終盤の予選アタックシミュレーションタイムがクラス13位と、午後の予選に向け不安を残すことになった。
【予選】7月22日(土)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:28℃ 路面温度:36℃(予選開始時)
■公式練習結果:13位 1’13.305(千代)
■公式予選Q1結果:15位 1’12.595(千代)
当初から予想された通り、朝から30℃を超える猛暑につつまれたSUGO。しかし午後になりサポートレースが終わると上空を厚い雲が覆い、雨が落ちてくる。
雨は少量でおさまり路面には影響なかったものの路面温度は30℃半ばに留まり、午前中とは異なる路面コンディションの下、午後2時36分にGT500クラスの予選Q1がスタートした。
15分間のセッションで、各車が動き出したのは残り10分を切ってからだった。15台の真ん中あたりのポジションで、Q1を担当する千代勝正を乗せた46号車もコースイン。
3周のウォームアップを経て4周目、予定通りアタックへと向かう。そして千代の渾身のアタックは公式練習より約0.7秒短縮する、1’12.595。
しかし上位陣はさらに上回るタイムを連発。結果、46号車は15位となり予選Q2に進出することができなかった。
Q2でアタックを行うために控えていた本山哲の出番はこの日はないまま、第4戦の予選を終えた。
●本山哲の予選コメント
「クルマは少しアンダーステア傾向だったものの、この予選に関して言えばマシンを路面状況にアジャストさせられなかった事が大きく影響していると思います。
予選が行われた午後は曇りとなり想定よりも路面温度が低くなったことで、マシンとタイヤの本来のパフォーマンスを上手く引き出す事が出すことができませんでした。
予報では雨が予想される決勝ですが、レースは後方から追い上げる展開となるので様々なレース戦略を駆使して、チーム力を発揮して上位を目指します。」
【決勝】7月23日(日) 天候:雨のち曇り 路面:ウェット/ドライ 気温:24℃ 路面温度:26℃(決勝開始時)
■決勝結果:2位(81周)2h09’14.900(千代lap48→本山)
前夜から雨が降ったりやんだりを繰り返す状況は、この日も続くことになった。
午後のウォームアップ走行が行われた時間帯はウェットコンディションとなり、46号車「S-Road CRAFTSPORTS GT-R」はここでトップタイムをマーク。
最後尾スタートながらレースがウェットであれば大躍進の可能性も見えてくる。
その後雨はやみグリッド上では各マシンがドライタイヤで待機していたが、レーススタート10分前になると再び雨が降り始め、多くのクルマがレインタイヤに履き替えることになった。
レインを選択した46号車は千代がスタートドライバーをつとめ、ウォームアップ時に見せた通りの速いペースで序盤から大きく順位を上げることになった。
オープニングラップを11位で通過した46号車は2周目には8位、5周目にセーフティカーが入りその後は、16周目に7位、30周目には6位。
千代の好走もあり46号車はまだレースが1/4も消化していない時点で9つのポジションアップに成功した。
レース開始後、雨脚は徐々に弱まり路面も乾いていったことから、各車はピットインをドライタイヤ有利のタイミングまで引っ張ることになった。
そして、このピットインがレースの展開を大きく変え、46号車はさらなる躍進を遂げることになる。
ピットインを予定していた41周目に2度目のセーフティカーインがアナウンスされると、チームは急遽予定を変更して千代にステイアウトを指示。
そしてリスタートの46周目に多くのクルマがピットイン。
しかし46号車は先行車輛が少なくなるこのタイミングを活かして更にステイアウトしこの周回に猛プッシュ。
48周目にピットインを行い本山へセカンドステイントを託すことになった。
本山は6位でコースに復帰すると、なんとここで3度目のセーフティカーが入る。トップ陣4台が先行しているもののこの時点でピットインを消化していない為、46号車は実質2位へとジャンプアップに成功。
この後レースは、46号車と1号車によるマッチレースとなった。本山は53周目のリスタートで早速オーバーテイクを仕掛けていくが、惜しくもトップ浮上はならず。
そして、その後は終盤に備えタイヤを労りトップから少し距離を置くも46号車のペースは安定感抜群で、トップのペースが落ちてきた残り10周から猛プッシュを再開。
残り5周で完全に射程圏内に入れると、最終ラップでは熾烈なバトルを繰り広げることになる。
絶好のチャンス到来に本山は集中力を研ぎ澄まし、すべてのコーナーで仕掛けていった。
しかしまた降り始めてきた雨の影響も有り惜しくもオーバーテイクはならず・・・15番グリッドから戦略的な追い上げを見せた46号車は2位で81周のレースをフィニッシュ。
15ポイントを獲得し、ランキングを大きく上げ後半戦に向かうことになった。
●本山哲の決勝コメント
「最後尾スタートでここまで順位を上げれるとは思いませんでしたが、後半スティントのラップタイムはとても安定していて、速さに関して終盤はこちらに分があったので、正直、勝てなかったのはとても悔しいです。
このレースでは、ピットに入るタイミングの瞬時の判断が命運を分けました。それを千代と二人で最大限に生かす事が出来て結果に結び付けられた。
セーフティカーが入った事により生まれた僅かなチャンスを、チーム力を生かして全て自分たちに有利に引き寄せられて良かったです。
もともとSUGOは狙っていたレースで、流れも良かったのに優勝できなかったのは残念ですが、ここまでポイントが足りなかった中、2位で着実に15ポイントを獲得できたことは良かったと思います。
まだ周りに勝っているというまでには至っていませんがクルマも明らかに進化していて、これで良い流れを作れたと思うし、この調子で次戦以降も頑張りたいと思います。
次戦の富士も皆さん、応援よろしくお願いします!」