11月2日・3日開催 本山哲選手 スーパーGT第8戦(最終戦)レースレポート

4月に開幕したスーパーGT2013シリーズは約7ヶ月間の激闘を経てついに、最終戦を迎えた。
本山哲&関口雄飛のコンビによる新体制1号車「REITO MOLA GT-R」の戦いも、シーズン戦としてはこれが今季ラスト。最終戦は全車ノーハンデというルールであり終盤戦における優位性はないが、チームのポテンシャルはもとより、進化したGT-Rは今やストップ&ゴーレイアウトのツインリンクもてぎであってもライバルたちと戦えるレベルにある。チームの照準はもちろん、最終戦を勝利で飾ることに絞られていた

11月2日(土)天候:曇り 路面:ドライ 気温:16℃ 路面温度:19℃(予選開始時)

■公式練習結果:13位 タイム1’43.048(本山)
■公式予選結果:9位 タイム1’42.364(関口)

暖秋の10月から一転、11月に入り急激に寒さは増した。予選日のもてぎは曇り空とあって、肌寒ささえ感じるコンディション。朝9時からの公式練習では各チーム、低い路面温度への対応がテーマとなった。
1号車は前半に本山、後半に関口とドライバーを代え予選に向けセットアップを進行。またしっかりと走り込みも行い、準備を整えた。

午後2時より、今季最後の公式予選が開始された。午後になっても気温は上がらず、ここ数戦とは明らかに異なったコンディション。短いセッションでいかに効率よくタイヤを温められるかがカギを握ると見られる今回の予選、GT300クラスのQ1終了後GT500クラスQ1が開始されると真っ先に1台のマシンがコースインした。関口を乗せた1号車だった。
関口はアウトラップで入念にタイヤを温めた後、さらにもう1周をウォーミングアップに費やし、満を持して最初のアタックに向かう。このあたりでようやく、他の14台が動き始めた。

1号車は2周目もタイヤが温まり切れないのか、タイムは1分47秒台に留まった。そして3周目、1’42.389をマークし一時トップに立つ。その翌周も関口は、1’42.364とベストを更新してみせた。
だがライバル勢も、セッション終盤に向け周回毎にタイムを上げていく。関口はその後もう1周アタックのチャンスがあったが、ここではタイムを伸ばすことができずQ1はチェッカー。結果、8位にコンマ約1秒という僅差でQ2進出を逃すこととなった。本山の出番なく1号車の最終戦グリッドは、この時点で9番手に決定した。

●予選コメント

「コースがもてぎということもあって、できるだけ決勝のスタートポジションは前にいたかったのですが、ちょっと残念な結果になりました。
車のセットアップに関しては問題なかったのですが、予想よりも低くなった路面温度に対し選んだタイヤがマッチしていなかったようでした。決勝はシリーズ戦としては今季最後のレースなので、一年間で培ったチームの力をしっかりと発揮して、ファンや関係者の皆さんに応援し続けて良かったと思ってもらえるような戦いぶりをお見せできるよう頑張ります。」

11月3日(日)天候:くもり 路面:ドライ 気温:20℃ 路面温度:24℃(決勝開始時)

■フリー走行結果:10位 タイム1’44.974(関口)
■決勝結果:14位(47周)1h25’48.614(本山Dr→関口Dr)

ツインリンクもてぎにはこの日、3万人のファンが押し寄せた。タイトルを争うチームが最終戦を制するのか、はたまたシーズンの締めくくりとして未勝利チームが最後のチャンスを掴むのか、いずれにしても最終戦ならではの見ごたえのある戦いをファンは願っていた。
9番グリッドから決勝に挑む1号車ももちろん、最後のチャンスを掴むことが最大の目標だった。

前日と同じような曇り空の下、午後1時半にシーズン最後のレースがスタートした。1号車のスタートドライバーは本山。フォーメションラップを終えローリングスタートが切られると、本山はオープニングラップで早くも8位浮上を果たす。路面温度が低くタイヤが温まり難いのか、オープニングラップでは予想されたバトルシーンが見られず順位はほぼ変動しなかった。
そんな中唯一順位を浮上させた本山に、さらなる追い上げの期待は高まった。しかしスタートから5~6周を経過したあたりから、1号車のペースが上がらなくなる。そこまでは上位マシンを上回っていたラップペースが逆に、下回りはじめた。7周目に9位に再び順位を戻すと、そこからは防戦一方。本山はそんな状況の中にあって精一杯の走りを見せたが、1号車は20周目のピットインまでに12位まで後退することになった。

セカンドスティントをドライブする関口もまた、本山と同様の苦しい走りを強いられた。コースインから2周目に1台をかわし12位とするも、その後はやはり思うようにペースを上げられない。それでも関口は12位を守り続け、終盤にアクシデントで戦列を離れるマシンが現れたことから44周目には11位と、開幕からの全戦ポイント獲得達成まであと一歩のポジションまで辿りつける。
ところが47周目、後ろからオーバーテイクを狙ってきたマシンとS字コーナーで並走になった際に接触。その後のコース復帰はならず、14位完走扱いとなったものの1号車は最終戦のチェッカーを受けることはできなかった。

●決勝コメント

「シーズン最後のレースで最も残念な結果となり、応援してくれたファンや関係者の皆さんに申し訳なかったと思います。
またシーズン全般を振り返っても、ミスが続いて序盤からなかなかいいリズムに立て直すことができず、中盤以降ではやっと3、4レースで勝てるチャンスがあるところまでこぎつけたものの、結局ものにすることができなかった。
本当に厳しい一年でしたね。でも数戦で勝つチャンスがあったのは、チームのパフォーマンスが良かったから。去年のチャンピオンチームで戦えたのは非常に心強かったです。
シーズン戦は終わりましたが、まだスプリントカップがあります。ここではチャンスを是非、ものにしてみせます。最後まで応援よろしくお願いします!」