残り3戦となり、タイトル争いは佳境へと突入。スーパーGT2015シリーズは、第6戦を宮城県のスポーツランドSUGOで迎えた。
前戦の鈴鹿1000kmで8ポイントを獲得するもランキングの方は5位のまま浮上はならなかった46号車「S-Road MOLA GT-R」だが、タイトルへの道はまだ閉ざされてはいない。
GT-Rと本山哲、いずれもが得意とするこのSUGOで2勝目を挙げ上位へと返り咲けば、ハンデが軽減される残り2戦での逆転は十分可能だからだ。
前戦でもウェイトハンデを凌駕するパフォーマンスを見せていることでチームもファンも、十分それが可能性を持つシナリオであると感じていた。
【予選】9月19日(土) 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:26℃ 路面温度:33℃(予選開始時)
■公式練習結果:2位 ベストタイム1’12.393(柳田)
■公式予選結果:1位 Q2ベストタイム1’11.607(本山)
前夜は雨だったがこの日の爽やかな秋晴れにより午前9時の公式練習スタート時にはすでに路面は乾き、絶好のコンディションが到来。
午後の予選に向け、46号車の仕上がりぶりも申し分なかった。
トラブルもなく、セッション序盤からセットアップは順調に進行。前半の本山と後半の柳田で計43周としっかりと走り込みも行え、終盤に柳田がマークしたベストタイムはクラス2位と、今季初ポールの手ごたえは十分だった。
午前の路面コンディションを維持したまま、公式予選Q1は午後1時30分にスタート。序盤はいつも通り全マシン様子見となり、6分過ぎあたりから続々とコースインが開始された。
46号車はその中でも比較的遅いタイミングでコースに入り、柳田がアタック。
セッションは全車がコースレコードにあたるタイムをたたき出すハイレベルな攻防となる中、柳田も最初のアタックで5位にあたる1’12.096をマークし、46号車は順当にQ2へとコマを進めた。
Q2はGT300クラスのセッション中に赤旗が出た影響から、予定よりやや遅れてスタート。Q1と同様セッション前半はアタックが行われず、各マシンが動き出したのは5分過ぎあたりからとなる。46号車もここで本山がコースイン。
このセッションは各マシン計測3周目を勝負所と捉えており、その周回では実に見ごたえのあるアタック合戦が繰り広げられた。
そして、トップタイムが僅差で次々と入れ替わっていく接戦を制したのが46号車だった。これまで数々のプレッシャーと戦ってきた本山の、ここぞという場面での集中力は見事だった。
重いハンデを感じさせない本山の激走により1’11.607のコースレコードをマークした46号車は、2位を約コンマ2秒以上も上回る堂々のタイムで今季初ポールポジションを手にした。
●本山哲のコメント
「マシンそのものは相変わらず好調なのですが、今回は獲得ポイントによってリストリクターが絞られパワーダウンしているし、7月のSUGOテストのときとはコンディションが違っていてタイヤチョイスの方も難しい状況でした。でも選んだタイヤは今日のコンディションにうまくマッチし、Q2のアタックもミスなく狙い通りのタイムを出すことができました。
残り3戦で逆転チャンピオンを狙うために、ポールからスタートできることは絶好のチャンス。ぜひチャンスをものにして今季2回目の優勝を果たし、残り2戦にはずみをつけたいと思います。
皆さん、応援よろしくお願いします!」
【決勝】9月20日(日)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:26℃ 路面温度:38℃(決勝開始時)
■フリー走行結果:1位 1’13.569(本山)
■決勝結果:2位(81周)1h51’45.807(本山→柳田)
前日に続き、この日もSOGOは朝から秋晴れに包まれた。朝のフリー走行は好コンディションのもと行われ、46号車も変わらずの好調ぶりが窺えた。
30分のセッションでは本山、柳田の順で走行し決勝に向けたセットアップの確認を行うと、本山が自身の走行終盤にマークした1’13.569は堂々のトップリザルト。リストリクターが絞られたことによるパワーダウンの心配も、レース前に払拭された。
46号車がポールから挑む第6戦決勝は午後2時、定刻通りにスタートした。前日よりやや路面温度が高くなったものの46号車は依然、好調をキープ。
前半スティントをドライブする本山はローリングスタート直後からプッシュし、自身がたたき出すファステストラップを更新しながら、どんどん2位とのギャップを築いていく。SUGOでありがちの序盤の混乱はなくレースはクリーンに進行し、5周目には早くも2位に4秒差とした。
その後GT300クラスに追いつくと各マシンはラップタイムを乱しはじめるが、レース巧者の本山はこれをものともせず周回を追う毎に着実にギャップを広げ、24周目にはついに2位に15秒差へ。今季2度目の優勝へ向けひた走った。
だがやはり、SUGOのレースはこのままでは終わらなかった。26周目にクラッシュしたマシンのパーツがコース上にばら撒かれ、セーフティカーが導入。
ここまで築き上げたギャップは一気に崩れてしまう。そしてSCが終了しピットがオープンとなると、46号車はすぐさまピットイン。
ここでほとんどのマシンがピットになだれ込み大混乱となるが、46号車はトップで入ったため影響を受けることなく、代わった柳田もトップのまま後半スティントをスタートさせる。だが2位のマシンも同じく混乱の影響を受けず、トップの46号車の背後に続くかたちとなった。
さらにタイヤがまだ温まりきらない周回でトラフィックに詰って46号車は2位へと後退するもラップペースが戻ってから追い上げを図る。しかしハンディを感じさせないドライビングで周回を重ねるもののトラフィックというSUGOのレースならではの展開に阻まれてしまう。
終始数秒差につけながらも結局、最後まで逆転は叶わなかったが、2位の座は決して譲ることなく、81周をフィニッシュ。
ランキングではその差を一気につめシリーズ3位に浮上。タイトル戦線へと再び返り咲いた。
●本山哲のコメント
「週末を通してチームもクルマもタイヤも凄く調子が良かったし、柳田も予選、決勝といい走りをしていただけに、セーフティカーを含めちょっとした不運でポールからスタートしたにもかかわらず優勝できなかったことは非常に残念です。
想定より早い周回でのピットインとなりましたが、完璧なピットワークでトップでコースに戻り、その後は少し長くなったスティントを柳田が頑張ってくれたおかげで取れた2位。
結果としてチャンピオンシップを考えれば大きなプラスであることは間違いありません。
引き続きこの調子をキープして、残り2戦でチャンピオンを狙っていきたいと思います。次のオートポリスも皆さん、応援よろしくお願いします!」