6月30日・1日開催 本山哲選手2018 AUTOBACS SUPER GT RD4(チャンサーキット)レースレポート

鈴鹿で行なわれた第3戦から約1カ月のインターバルを経て、スーパーGT2018シーズンはタイのチャン・インターナショナル・サーキットで第4戦を迎えた。

昨年まで秋口に行われていたタイラウンドが今年は6月に開催ということで、さらに暑くなることが予想された今回、3号車「CRAFTSPORTS MOTUL GT-R」は、土曜日午前中に行われた公式練習でトップタイムをマーク。

夏場を得意とするミシュランタイヤ、そして過去6月に行われたタイラウンドで勝利している本山哲を擁する3号車は、一躍ポール候補、優勝候補に名乗りを上げることになった。

【予選】6月30日(土)天候:晴れ 路面:ウェット/ドライ 気温:29℃ 路面温度:35℃(予選開始時)
■公式練習結果:1位 1’23.349(千代)
■公式予選結果:9位 1’30.228(本山)

ドライ路面では万全の仕上がりだった3号車にとって、予選は不利な状況となった。
午後になりピットウォークが終わったあたりから、コース上には激しい雨が。

予選が開始される午後3時の時点で雨は上がったもののセッションを行うためには路面の排水作業が必要となり、15分ディレイで予選はスタート。

セッション中の路面の乾き具合、そして50℃超えの予想だった路面温度が30℃台に下がったことへの対応と、各チームは出走を前に頭を悩ませることになった。

GT300クラスが先にQ1を走ったことで路面の水はかなり少なくなったものの、まだスリックタイヤでの走行は難しいと、全マシンがまずはウェットタイヤでコースイン。

3号車のQ1を担当する本山も浅ミゾのウェットでアタックを開始する。3周目にマークした1’32秒3は、この時点で3位となった。

そして、序盤からスリックに切り替えたりレインに戻したりと路面に翻弄されてきた各マシンだったが、このあたりからスリック有利と判断するマシンが多くなり、続々とピットイン。

結局、この判断のタイミングがQ1の明暗を分けることになった。3号車の本山はそこから2周後にピットインし、スリックタイヤに交換。

再びコースに戻ると僅かな残り時間をギリギリまで使い、懸命にタイヤを暖めベストタイム更新に挑む。

そしてラストアタックで自己ベストとなる1’30.228をマークするも、順位は9位留まり。

タイヤは最後まで暖まり切らず、Q2に進出できる8位までもう一歩というところまで迫りながら、ここで敗退することになった。

3号車はレースを9番グリッドからスタートすることになった。

本山哲の予選コメント
「最初はウェットで出て行って、そのときのタイムが良かったことで、結果的にスリックタイヤに交換するタイミングが1~2周遅れてしまった。

セッションの残った時間で、選んだタイヤを十分に暖めきることができませんでした。
結果的にはあと1周チャンスがあればQ2に進出できたと思いますが、交換の判断は非常に難しかったですね。

でもドライだったフリー走行では良い状態だったので、レースでは最後までしっかり走りきれば順位を上げていけると思います。
皆さん、決勝も応援よろしくお願いします!」

【決勝】7月1日(日)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:32℃ 路面温度:47℃(決勝開始時)
■決勝結果:13位(65周)1h37’18.355(本山→千代)

この日のチャン・インターナショナル・サーキットは、朝から雲ひとつない快晴となった。

前日のようなスコールが発生する気配もなく、従来予想されていた路面温度50℃前後のドライコンディションで午後3時、定刻通りにレースはスタートした。

前日の公式練習でドライコンディション時の速さを見せていた3号車には、序盤から順位浮上の期待がかかっていた。
だがスタートドライバーの本山は、まずはタイヤセーブに徹し、着実に順位をキープするレース運びを見せる。

8周目にオーバーランを喫したことで一時12位へと後退するも、徐々に順位は挽回。
24周目からは3周連続でオーバーテイクを決め、26周目にはスタートポジションの9位へと復帰する。
このあたりから各マシンによるルーティンのピットインが始まった。


3号車は32周目にピットイン。ここでドライバーを千代勝正に代え、給油を済ませると、そのままコースへと出ていく。
3号車が前半タイヤセーブに徹していたのは、タイヤ無交換作戦への布石だった。

タイヤ無交換作戦により36周目、全マシンのルーティンピットインが終わると3号車は5位へと浮上していた。
そして、そこから数周の間は1分26秒台と、まずまずのラップタイムをキープ。

ところがその後、急激にタイヤのグリップは落ち、3号車はペースを落としてしまう。


順位も43周目の6位を皮切りにどんどん後退し、52周目にはポイント圏外の11位へ。
グリップしなくなったタイヤで千代が必死に粘るも、状況はもはや限界に達していた。

結局3号車は65周を走り13位でチェッカー。
開幕からの連続ポイント獲得はここで途切れることになった。

■本山哲の決勝コメント
「第1スティントは、タイヤ無交換の戦略も考えてのスタート。
序盤からタイヤをセーブしながら、状況的には何とかいけるんじゃないかと思っていました。

ラップタイムから考えても、順位をカバーする意味でも、この時点の状況ではそれしか選択がなかったです。
結果的にはタイヤはもたず、戦略はうまく機能しませんでした。

難しい予選となった為に、レースで上位に食い込む戦略が絞られ、公式練習のタイムをレースに活かせなかったのが残念です。

シーズン中にはこういった厳しいレースがあるのは仕方がないと言えども、シーズン後半戦に向けて常に上位で争えるように、今回のデータを分析して、しっかりと戦略を立てチーム一丸となって次戦に備えます。

RD5は8月の富士。タイに続いて猛暑が予想されますが、是非サーキットで熱い声援をよろしくお願いします!」